第48回 設計施工を改めよう
ライブドア旧経営陣の暴走を許した公認会計士に、東京地裁は実刑判決を下した。企業監査がなされていない、企業に組したと厳しく裁断されたのである。公認会計士が企業から報酬を受けて企業に厳しい監査をなすことを期待する事が過ちであると言わざるを得ない。
建て主のために安心できる建物を作るためにも設計監理と施工〈工事〉は分離するのが当然なのである。設計監理は建主の要望を設計図書にまとめ、監理はそれが設計図書どおりに出来ることを確認することであり、共に職能行為である。一方、工事は利潤を追求する営利行為である。建て主は手抜きが怖くて、工事業者の言いなりの工事価格で契約することになりかねない。建築業界には市場原理は有効に働かない場合が多い。
ここで設計者が建て主の代理任として、複数の業者から工事見積もりを徴収し、厳しく査定して初めて市場原理が働く。設計者は建て主から強い信頼を頂いて、厳しい倫理観を持ち強い責任感を持って建て主の立場で設計士工事を監理し、営利を追求する施工者と対峙する。従って、設計者は断じて工事業者の下請けをしてはならず、報酬は建て主から直接受領するのが筋である。
わが国では、「設計料を倹約したい」と考え、工事業者を信頼するという名分で、建築業者に設計施工で依頼する事が一般的になっている。これをはっきり改めなければ、建築主の立場に立つ設計監理は出来ず、工事業者の言いなりになって設計の質も落ち、建築主の立場に立ったサービスも出来難くなる。
この根本問題を今こそ改めたい。
建て主もこのことを充分にご理解頂きたい。それが耐震偽装などを繰り返さないためにも必要であると言いたい。公認会計士の過ちを繰り返さないために、設計監理と施工は分離すべきなのである。
代表取締役所長 山本富士雄
経 歴:1959年3月~1972年11月
(株)三座建築事務所大阪支社及び東京本社にて、集合住宅、電話局、病院、オフィス
ビル、個人住宅等の設計監理に携わる
1972年11月 山本富士雄設計事務所設立
1979年9月 株式会社に組織変更し、代表取締役所長として現在に至る
社会活動:〔社)日本建築家協会関東甲信越支部西東京地域会会長として、2001年4月より2
003年3月まで、西東京地域の住民を対象に「グリーンモール運動」等の活動を行った
(現在副会長)
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