第43回 信頼される明確な価格基準を持つ
買い物をする側の心理として、高い買い物をさせられているのではないか、という不安があります。その不安は、購入をためらわせる原因にもなります。信頼できる価格提示をして欲しいものですね。
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中古マンションの流動性を高める(日経産業新聞 2006.10.03より)
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◆大きな石をビンに一杯詰めようとすると、どうしてもたくさんの隙間が出来てしまう。しかし小さな石なら、そのようなムダな空間はできない。砂であれば、なおさらのことだ。
◆大きな石より、小さな石や砂の方が、ビンの中での「流動性」が高い。中身が流動すれば、器への納まりがよくなる。これは、ビンや石・砂に限ったことではない。
◆最近は人材や雇用の流動性が高まったと言われる。転職をすることが当たり前になって来ているということだ。自分に合わない仕事や職場に縛られず、社会全体として適材適所が実現すれば、よいことだろう。
◆企業としては、従業員を気軽に解雇することはできない。そのため、気軽に雇うこともできない。それが失業率を高める原因だとの指摘もある。まだまだ人材の流動性が低いことの弊害だ。
◆流動性を高めることは、基本的には社会にとって良いことなのだろう。ビジネスにおいても、「流動性」という言葉は、ポジティブな意味で使われることが多い。
◆3日付けの日経産業新聞には、大証ヘラクレスに上場した「中古マンション売買の不動産ファンドを運営するスター・マイカ」という会社の社長の会見内容が掲載されている。
◆記事によれば、水永政志社長は「中古市場のマーケットメーカー(値付け役)の役割を果たし、市場の流動性を高めていきたい」と述べ、「流動性」を高めるための基本的な考え方を示している。
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信頼される明確な価格基準を持つ
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●市場の流動性が高いとは、対象となる商品の売買が活発に行なわれている状態を指す。不動産業界では、売買の仲介手数料が収益源だから、市場の流動性の高低は非常に重要な問題だ。
●流動性を高めることを考える前に、なぜ流動性が低くとどまってしまうのか、解明しておく必要がある。記事は「現在の中古市場は売買が成立しにくい面もある」としている。
●しかし水永社長は、「プロの会社が価格を明示して売買していけば、流動性が高まり消費者が売買しやすくなる」としている。価格に関する不透明感が、売買の阻害要因となっているようだ。
●確かに、価格が適正かどうかを判断するのが難しければ、購買意思決定をするのに二の足を踏むだろう。調査が必要となれば、その手間と時間もかかる。それでは流動性は高まらない。
●先述の人材の問題に当てはめて考えてみよう。従来の日本社会での人材の流動性が低かったのは、人材能力(並びに適正給与)の査定が難しかったという面もあるだろう。
●アメリカなどでは、職務ごとに給与が決まっており、誰がその職に就いても同じ給与ということになる。人材採用にあたり、その「価格(給与)」の透明性が担保されている。
●しかし日本では、給与は職務ではなく、人材の能力・経験や年齢に基づいて決められるケースが多い。「価格(給与)」は不透明だ。
どうしても流動性が低くなるのもうなづける。
●「明朗価格」を謳うことは、集客増につながる。価格が不透明なら、「市場の流動性」を期待すべきではない。回転寿司の値段や、最近なら葬儀料金は、その好例だろう。
●古本チェーンのブックオフなども、買取と販売の価格基準を明確にして支持を集めている。それにより、次から次へと売買が行なわれる状態を実現しているのだ。
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教 訓
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あなたの企業が提供する商品・サービスの価格は、明確な基準による設定で、顧客から信頼されているだろうか。信頼性に疑いの余地があれば、顧客は購買をためらうことになる。

