感動受注経営学校

第41回 若手を中心に取り組むべきこと

2006年11月30日

組織で仕事をする場合には、特定個人の能力に頼りすぎるのは、リスクになります。その人がいなければわからない、できないというのでは、大変ですね。多能工の育成が必要なのは、製造業だけではないはずです。

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    多能工を育成する人事制度  :日経産業新聞 2006.11.20より

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◆サラリーマンを卑下して、「組織の歯車の一つに過ぎない」といった表現が使われることがある。確かに、企業の従業員は、機械全体を構成する部品の一つといった役回りを持つかも知れない。

◆機械なら、部品の一つが機能を失えば故障となり、動かなくなってしまう。不要な部品は一つもない。しかし、特に規模の大きな組織なら、一人くらい欠けても、どうということはなかったりする。

◆もちろん、この人がいなければ困る、というケースも多々ある。
「余人をもって代え難い」タレント人材だ。ならば、簡単にクビになりたくなかったら、そのような人材を志向するのが自然だろう。

◆しかし人を雇う企業側としては、「部品」に不具合があれば、「交換」しやすい方がよい。「余人をもって代え難い」人材ばかりでは、リスクが高い。

◆20日付けの日経産業新聞に、「東証一部上場の中堅電線メーカー、タツタ電機は工場の従業員を複数の生産設備に習熟させる人事制度を本格導入する」という記事が掲載されている。

◆目的は「若手を中心に現場従業員のスキル(技能)を高めて要員の需給ギャップを解消し、生産の効率化につなげる」ことだ。いわゆる「多能工の育成」というやつで、工場ではよく行なわれる取り組みだ。

◆多能工を育成すると、「人手が余っている設備から人手不足の設備へと機動的に配置転換できる。電線の生産速度は現在より約5%高められる見通しだ」という。

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    若手を中心に取り組むべきこと

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●多能工の育成は、確かに生産の効率化には有効なのだが、既に習熟した作業以外の慣れない作業に取り組むことに、抵抗感を持つケースも多い。ある種の「利権」が発生していると言ってもよいだろう。

●しかし、どの仕事を誰に教えるかは、会社側が決めることだ。だから、多能工の育成には、タツタ電線のように「人事制度」としてきっちりと取り組む必要がある。

●タツタ電線の場合、具体的には、「オペレーター」、「サブオペレーター」「補助」の3人を1グループとして一つの設備を担当する。そして「補助」が、他の設備へ「応援派遣」される。

●詳しくは書かれていないのだが、「補助」が様々な設備を経験したり、指導を受けたりして多能工になる対象であり、「最短一週間で次の作業を覚えさせる」仕組みになっているという。

●同社では、「従来は1つの設備を1~2人の従業員が専門で担当し、他の設備を動かす技能を学ぶ機会が少なかった」という。記事よれば、この新しい取り組みでは、1つの設備を3人が担当することになるから、単純に考えれば生産性は落ちる。

●ただ、1~2人で担当する場合よりも、「補助」の存在により、いくらかでも設備の効率が高まるだろうし、「オペレーター」や「サブオペレーター」の引退後を見据えれば、有効な投資ということにもなる。

●また、若手の「補助」のうちに多能工を志向するのが当たり前のことだとしておけば、特定作業のみに習熟して「利権」を守るといったことも防げるだろう。多能工を育成するなら、柔軟で習熟が早く、守るべき「利権」のない若手を中心に取り組むのが正解だ。

●「利権」がないからと言って、「部品」のように簡単に取り替えられるということにもならない。若いうちから多能工としてその道を極めることになれば、それ自体、「余人をもって代え難い」境地にまで達するはずだ。

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   教  訓

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あなたの企業での多能工の育成は、うまく行っているだろうか。まずは育成の仕組みをしっかりと構築することが必要だ。対象を若手に絞った方がやりやすい。思いつきではなく、長期間を見据えた考え方で、人事制度として取り組むのがよい。

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